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E-30の存在意味

写真家の山岸伸さんのブログの沖縄ロケ記事で、E-30の画が出ている。
なんだかアートフィルターに夢中のようで、観ていてなかなか楽しい。
ん~、まずいなぁ。

※初心者向け機に備わっている、所謂シーンモードは、いかにうまく写せるかがテーマだったが、アートフィルターは、文字通りアートな画造りのためのフィルター機能

アートフィルター、当初は実はこれ、なんだかなぁと思っていた。
そういう特殊な加工なんて、カメラでやらなくたってPSとかであとでいくらでもできるし、現場では極力リアルなデータを確保することが重要じゃないかと思っていた。

でも、もう少し考えてみると。
フィルムカメラなら、ある機を持ち出す時点で画の特質、使う制約をある程度心得て覚悟している。
ハーフ判と中判では気持ち、リズム感も全然違う。それぞれの性質、制限の中で使うことになる。
自分がいつもフォーマットの違う機、またはフィルムとデジタルなど複数台を持ち出すのは、未だにそのあたりの割り切りが悪い(TPOが判断できない?)ことも多分にあると思う。
フィルムもそう。モノクロ、カラー、ネガ、ポジ、感度、メーカー・・・。
好きなフィルムはもちろんあるが、常にそれ一本でイケるとは限らないし。
※モノクロオンリーの人も居るが、私にはとてもその覚悟はない

最近感じていたことは、デジタルは、まあスカッとした画が撮れるし、余計なことを考えなくていいし、スピード感がある。それはそれでまあ満足できる。
それでも、写真を撮る行為はそれだけではないなと。
やはりフィルムカメラは捨てがたいモノがあり、逆に気分によってはデジタルがお留守番なんて事もあったりする。
それは制約の多いものをわざわざ持ち出しているわけで、最近の常識からするとなんだか奇妙なことかもだが。

出かける時に、そのカメラを手にしてみば、(表現ベースの)半分は決まっていることを半意識的にしている。

デジタルになってから、足りなくなったのは、逆説的だが、その「モノタリナサ」あるいはあばたもえくぼ的なものだったのかもしれない。

E-30、「くだらん」「不要」とばっさり言ってしまえば、それまでなのかもしれないが、あえて、そんなものたちを取り込んだことは、新しい方向性として評価できるだろう。
by tin_box | 2008-12-11 22:40 | カメラ物欲系 | Comments(0)
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