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弓の稽古 弓手と手の内の考察 其の五の二 握りの太さ(検証)

弓の握りを少し幅を広くし、道場で引いてみました。
実際に引いてみると、”大三”での手の内のセットに少々手間取り試行錯誤しました。
新しい握り皮にまだ慣れていないせいだと思います。

”角見”は、格段に当て易くなったと思います。
関節根にあたる感触が良くわかります。
今までは、なにか(握りこまないようにしているつもりでも)弓を必死に握り押さえ込んでいたように思えましたが、それが非常に楽に弓を支えられるようになりました。

また、弓自体も、これが同じ弓かと思えるくらい変化を感じました。
矢勢も出て、弓返りも自然に鋭くなりました。

前記事には、弓の握りについて、”弓の握りの調整については、私の知る限り、弓道関連書でもほとんど述べられていない”と書きました。
それは私の早とちりでした。
手元の書籍を見直してみると、今村鯉三郎範士著「弓執る心」には、左手と弓との関係が詳らかにされていました。




二、射方八節 四、正面打起こしについて (一)道具について
(2)弓の太さについて  
手の小さな者にとって、太い弓は、ただ握るのに精一杯で押すどころではない
大きな手に細過ぎる弓は、持つには楽でよいが、虎口が回り過ぎて角見が効かず、” ←自分はこれでした
自分の中指の先が掌につかえて、弓の回転には何の作用も為さず、離れで腕を左に振ったり、” ←思い当たる人がいます。
手先で弓を突き上げたりする動作を起こすことになってしまう
握りの枕については、手の大小にも、掌の大きさに対して指の短い者・長い者、拇指と人差指との間隔(虎口)にも大小があるので、~工夫すること

(3)弓の手幅 
自己の手の大きさに合致し弓でないと、真の伸合いや、角見の働きが充分発揮出来ない。
弓の手幅は、凡の人の左中指の第一関節と、第二関節との間隔
広い人は約三cmくらい幅があり、狭い人は一.五cmくらい” ←私は3cmでした
弓は、だいたい三cm~二.三cmのものが製作されている。
弓の手幅が広過ぎると、拇指根が押され、開かれて角見の用を為さず、狭すぎると、拇指根が中指の先を押すことになって、これまた角見の用を為さない。
これですよね。


(4)握りの枕の高さと幅
弓を所定に握った時、拇指根と中指の先とは約三mm~五mmくらいの空きが必要である。
これは、離れの瞬間、角見が弓を押し切るための間隙である。従って、予め、枕を作って握り革を巻いた時、~枕の高さを調整し決める。
引用終わり

完璧な教えではないでしょうか。
先人の遺産はありがたいものです。
だいたい今までに感じていたこと、考えていたことはその通りであったようです。
拇の第一中手骨と人差指の第一中手骨の成す角度が~ というようなイラストを描こうと思って、手もとの「弓執る心」を見直していたのですが、全部、先生が書かれていました。

いずれにしても、(前記事にも書きましたが)このような事を知らずに苦労されている方も多いのではないでしょうか。
「角見が効かせられない」「手の内が上達しない」「弓返りで自分で振ってしまう癖が治らない」
「道具選びも技のうち」という言葉があるかどうかは知りませんが、そういうことです。

by tin_box | 2021-03-02 16:27 | ブリキ的生活 | Comments(3)
Commented by カズヒコ at 2024-01-19 11:32
こんにちは。30年ぶりに弓道に復帰した者です。高校時代は、考えなく教えられるままに稽古していましたが、30年ぶりに復帰し稽古すると、探求するところがかなりあるなと実感しています。
今回、手の内の考察に非常に共感を得ました。
私は背が高く手も大きく指が長い為、握りが合っていないなと感じています。弓返りも十分でない感じです。

参考に教えていただきたいのですが、幅を太くするときは、厚紙などで幅広にしたのでしょうか。握り革込みで3cmにされましたか。
可能であれば、写真等見せていただきたいです。
Commented by tin_box at 2024-01-20 15:11
カズヒコさん、コメントありがとうございます。
私も握りは何回も試行錯誤しています。
ゴムのアンコで高さを様子を見ながら調整しています。
それに薄めの握り皮を二重に巻いていますが、調子が良いと思います。
よく聞くのは、はがきや名刺を適当なサイズに切って張り付ける方法ですよね。小指を引っ掛けたい人は内竹横に爪楊枝を仕込んだり。
横に貼るゴムのアンコも市販されていると思いますよ。

私は現在は竹弓三張使用していますが、それぞれ幅や高さ、断面形状も少しずつ異なります。
カズヒコさんに言われて、実際に弓の握り幅を測ってみましたが、3.1cm、3.2cm、3.2cmと、実際の感覚程の差はありませんでした。
断面形状と高さの影響も大きいと思います。
それに握り皮の材質。
好みや、その人の手の性質にもよるでしょう。
私は粗めのバックスキンが合っているようです。
コメントでは写真を貼れませんので、ご容赦ください。
そのうち、”握り”の調整が解ってきたら、記事で書くことがあるかもしれません。
そんな感じでよろしいでしょうか。
Commented by カズヒコ at 2024-01-20 18:01
ご回答ありがとうございます。
参考にさせていただきます。やはり、試行錯誤が大事ですね。手ぬぐいを購入しましたので、微調整しながら良い塩梅の所を探ってみます。
また記事があがりましたら、拝見させて頂きます。
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