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弓の稽古 弓道の書籍 その弐 「弓道 その歴史と技法」

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松尾牧則先生が、大学の授業テキストとして使っていた資料をまとめたものだそうです。
本書では、弓に関する話題を非常に幅広く取り上げており、四百頁超の読応えのあるものとなっています。
日本の弓だけではなく、外国の弓矢についても述べられており、(優劣は付けず)その違いも興味深いものです。
世界的に見て日本の弓は唯一といっていいほど長大なもの(次に長いものは英国のロングボウ)で、また弓の中央ではなく、若干下(約2/3)で矢を番えると言うのも特徴です。
日本の弓術の歴史に関しての記述は大変興味深いものです。
神事、貴族の儀式、遊戯、その後の弓術流派の展開、弓道としての発展など、体系的にまとめられているので、非常に参考になります。
その他、弓具の歴史と技法も面白いです。
弓術として実際の戦闘の弓としては弓返りはなかった事、弽(ゆかげ)は割と後の時代によるものであったこと。
弓自体も、一本の木を削って作っていたものから、竹を張り合わせた合成弓に進化していったことなど。
巻末にも一覧がありますが、膨大な参考資料から纏めた労作でです。
一読をお勧めします。


by tin_box | 2020-07-20 23:07 | ブリキ的生活 | Comments(0)
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