中野京子著
「怖い絵」1-3
3で完結。
各作品の絵が小さく見難いのがなんとも最大の欠点だが、書籍のサイズ的に仕方がない。
絵画の鑑賞が、何の先入観、予備知識もなしに、個人の感性と現代の常識だけで可能だという思い上がりを打破するには十分か。
現代のように娯楽が豊富でなかった時代、絵画の持つ力、情報の伝達力はものすごいものがあっただろう。
またその見方もずいぶんと違ったものだった。
画家が自分の意思で自由に創作できたのは近代に入ってから。
それ以前はパトロンの存在とその意図なしには絵画を語れず。
何が怖いかって?
そりゃ、長い時間をかけて制作するのだから、何もないほうがおかしいだろうて。