今回ブロニカを入手した理由は、このベローズが見つかったから。
結構めずらしいらしい。
このベローズのアオリはチルト・ライズ・シフト・スイングが可能(フォールダウンは無理)。
なおかつ付けたままで無限遠が出るという(後述)。
蛇腹はさほど繰り出せないが、75mm標準で近接10cm程度まで寄れるようになる。
通常ベローズなしだと、50cmも近づけないので、ベローズは価値がある。
コンパクトにできているので、付けっぱなしで持ち歩く事もできそうだ。
と思って、実際に手持ちで持ち出してみたが、絞りがオートでなく(絞り込み状態から開放するレバーはある)、操作がし難く、一度でやめた。
この無限遠のでるというベローズ、通常考えるにちと不思議だろう。
ブロニカをよく存知の方ならば、そのレンズ交換、マウントが特殊なためなせる技だとすぐ理解されると思うが。
大判や中判のホースマンなどのテクニカルカメラを別にすれば、交換可能なレンズ(マウント)とボディフィルム面の距離、フランジバック、バックフォーカスは厳密に固定された距離にある。
それがベローズなどを挟み込めば、フランジバックが伸び、無限遠でピントが来ないのは当たり前の話。
しかしブロニカS2などではそれが可能...。
そのわけは。
レンズと、ヘリコイドが別だから。
レンズはヘリコイドを置いてけぼりにして、ボディから分離できる。
ヘリコイドもボディから切り離せる。
このボディのみの状態で、ベローズを取り付け、ベローズ前側にレンズを取り付ける。
ベローズは非常にコンパクトにできており、縮めた時の前後の厚さは取り外したヘリコイドとほぼ同じになる。
というわけで、無限遠がでる。
このレンズとヘリコイドが切り離せるカメラというのは、本格一眼レフとしては結構珍しいのではないか。私は他に思いつかない。
コンパクトカメラのコンバージョンレンズや、一眼レフ・レンズシャッター機で後玉がボディ側に残るという機は確かあったと思う。
ブロニカはいろいろとユニークなのだが、ピントフードの手前側の板にはパテントNo.がずらっと刻印されている。