スポットメータで測光する場合、明暗差がさほど激しくない時は、主要な被写体で反射率が18%に近いものを計れば大抵は無難な露出を決められる。
※これがわかってないで、ただそれが主要被写体だからスポット測光するといったことをやらかすと大失敗する(一般的にスポット測光が難しいと言われるのは、たぶんこれが原因だろう)
しかし、日陰と日向、白と黒系など明暗差が激しい場合は、どちらかに「決め」なければならない。
フィルムやCCDで白飛びや黒つぶれがしない範囲で取り込める明暗差の幅は限られている(だから面倒な露出決めが必要なんだけど)。
だから、この明暗差の「枠」をシフトして明るい方を取るのか(暗い方は黒つぶれ覚悟)、暗い方を取るのか(明るいほうは白飛び覚悟)決めなければならない。
中間を取ればいいように思えるが、明暗差が激しい場合、それは往々にしてよい結果にならない。
白飛び、黒つぶれ両方あるような画になりがちだ。
通常、白飛びの方が見苦しくなりがちなので、よほどシャドウのディテールにこだわるのでなければ、ハイライト部を「枠」の上限として露出を決めるだろう。
例えば、リバーサルフィルムでは5EV程度のダイナミックレンジがある。
適正露出(18%グレー)を基準とするとプラス側2.3EV、マイナス側2.7EVと言われている。
例えば、基準値が13EVだとしたら、ハイライト部は15.3EVに収めればいいし、シャドウは10.3EVとなる。
面倒だったら、いきなりハイライト部を計って-2.3EVすればいい。絞り値だと2段1/3。
ペンタックスのスポットメータには、この目盛りがあるので、簡単にハイライト、シャドウ基準の計り方ができ便利だ。
以前にも紹介したが、OLYMPUS E-500にはハイライト/シャドウコントロール機能があり、この操作が簡単にできる。
これがあるからこそ、スポット測光が気軽に使えるのであって、ただ単に中心のみ測光しますよでは、使う方はなかなか難しいだろう。
CCDはリバーサルフィルムとはダイナミックレンジが異なるので、上記数値をマニュアルでそのまま使えないので、この機能はなおさら便利だ。
雑誌記事によると、CCDではプラス側は+1.7EV程度みればよいようだ。
ちなみにネガフィルムで8EV、リバーサルフィルムでは5EV程度、CCDにいたっては2-3EV程度といわれている。
※CCDに関しては技術進歩が激しく、現在はもう少し広いかもしれない
今月号のデジタルカメラマガジン(注1)に載っていたスポット測光の記事はなんとも中途半端なものだった。
注1)この手の雑誌はハード偏重すぎて、物欲大魔王を呼び寄せてしまうので普段はあまり見ないようにしているが、でもたまにCMSや露出解説の記事とかがあるとつい買ってしまう
キエフ6c+マイヤー80mmF3.5 RDPIII
船舶部の白をハイライトとして、ギリギリ白飛びしない程度の露出で。